Wednesday, March 26, 2008

イヴ・サンローランの「シティパンツ」あるいは越境するジェンダー

ふあっちょん幻論第15回 20世紀の10大トレンドその7「シティパンツ」


1851年 米女性解放運動家、ブルーマー夫人のブルーマー登場、19世紀末のサイクリングウェアに。その頃サンローランはディオール店に入り、その後独立し反体制クリエーターとなる。
1966年 サンオーラン・リヴ・ゴーシュの「マリンルック」発表。官能的な夜のパンツ「スモーキング」発表
1967年 街で着られるパンツスーツ「シティパンツ」(チュニック丈ジャケット&パンツ、ウールジャージー)「サファリスーツ」もデザイン。彼の“働く女のスーツ”を見たシャネルが、「私の後継者」と呼ぶ.
         
1968年 5月革命勃発、ウーマンリブ、ユニセックス、ストリート・ファッション
「シースルー」発表、あらゆる既成概念を打ち砕く。アルマーニ、カルバン・クラインが80年代に踏襲する。

 70年代は“若さ”がキーワード。70年発刊の雑誌ananと若者をターゲットにした既製服の時代。すでに「9号神話の時代」が始まっている。

80年代はティエリー・ミュグレー、ゴルチエ、アライアなどのボディコンの時代。男勝りのこびないパワースーツ。いわゆるひとつのキャリアウーマンの時代。

80年代後半は肩肘はらない自然でソフトなシルエット。身体を露出する「ミニマリズム」と呼ばれるセクシーな服も誕生。ナオミ・キャンベルのような黒人トップモデルへの関心。88年パリコレデビューのマルジェラが切り裂き服など大胆な提案。

90年代はグローバル&多様化の時代。スポーツ意識の服、ゴルチエの倒錯的ホモセクシャル服。新たなる混迷。

00年からは戦争と平和の時代。万人が万人に対して武装し、疲労困憊し、その反面ではつかの間の癒しとやらを求めて己が繭の中に入り込むコクーンニングの時代。

♪ももんがあ高きより降下して我の目の前で前で踊るなり 亡羊

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