Sunday, October 21, 2012

スティーヴン・ウオーカー監督の「ヤング@ハート」を見て




闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.330

82年にアメリカで結成された超高齢コーラス隊のドキュメンタリー映画。70代から80代、中には90代の老人たちがパンクやロックでシャウトしまくる破天荒の音楽映画である。

もともと高齢のうえに癌や肺炎を患っているメンバーも多く、実際にこの映画の撮影前後には3名の優れたソロイストを喪っているにもかかわらず彼らは明日を知れぬ肉体をひきずりながら歌いに歌う。彼らにとって歌うことは喜びであり、それ自体が生きてあることの証なのである。

映画の中ではザ・クラッシュの「ステイ・オア。ゴー」、ジェームズ・ブラウンの「アイフィール・グッド」、トーキング・ヘッズ」の「ロード・トゥ・ノーホエア」などが熱唱されるが、友の一人を亡くしたその日に、彼らが刑務所の囚人たちの前で激しくシャウトするボブ・ディランの「Forever Young」は感動的である。

   店長は茶髪を黒に戻しけり閉店迫りしガソリンスタンド 蝶人


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