♪音楽千夜一夜 第283回
最近ヘンデルを古楽器で面白く聴かせる集団が増えてきましたが、これは2011年夏の英国のグライドボーン音楽祭の録画です。オッターヴィオ・ダントーネという指揮者がエイジ・オブ・エンライトゥンメント管弦楽団を振った公演のライブですが、演奏よりもロバート・カーセンの演出の面白さで魅せるお芝居でした。
オペラは本質的に見せ物ですから音楽さえちゃんと聴かせてくれれば別に演出自体を否定するわけではないのですが、このカーセン選手はバレンボイム&スカラ座の「ドンジョバンニ」のように時折やり過ぎることがあって、その折には肝心の音楽を傷つけることもあるので、ほどほどにしてもらいたいものです。
ヘンデルとロッシーニの音楽はミニマムミュージックの元祖であり、彼らの同工異曲のアリアを聴いていると、いつのまにか軽い酩酊状態に陥ってしまうのだが、この曲でも私たちは女子高生を苛めたり苛められたりしながら、そういうちょっと異常な体験を楽しむことができるだろう。
音楽はこれでいいのだヘンデルのアホ馬鹿音頭に陶然となる 蝶人
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