Saturday, November 19, 2011

「グレート・チエンバー・ミュージック~偉大なる室内楽集」を聴いて


♪音楽千夜一夜 230

これイタリアの放送局からオンエアされたアスコーナ、ルガーノ、ボローニャにおける室内楽のライブ演奏を10枚組のCDに収めた1枚100円弱の超廉価盤です。

グリュミオーとハスキルはかねてから定評がある名コンビですが、モーツアルの変ロ長調k378のソナタは素晴らしい。フィリップス盤よりちょっと早めのテンポで快調に飛ばしますが、ライブなのに技術的な破綻はいっさいなく驚くべき高揚のうちに演奏が終わります。

わが偏愛のイタリア四重奏団のモーツアルトのニ短調k421も絶好調。スタジオ録音を上回る名演を繰り広げ観衆を沸かせていますが、私がもっとも感銘を受けたのはウイリー・ボスコフスキーが指揮するウイーン八重奏団のシューベルトのオクテットとランパル&パスキエトリオによるモーツアルトのフルート四重奏曲集でした。ランパルの華麗でちょっとうら悲しい独特の音色を久しぶりに聴いて、やっぱり下町のゴールウエイより山手のランパルがいいなあと思わされた宵でした。

その他スメタナ四重奏団のシューベルトやジュリアード四重奏団のベートーヴェン、ミルシュテイン、フルニエのリサイタルなどなどスタジオ録音では聴けないライブの名演が続々登場。これを聴かない人は一生損をするでしょう。

春は桜夏は朝顔秋は菊冬は水仙咲く陋居 蝶人

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