bowyow megalomania theater vol.1
一〇名の特別攻撃隊を喪った警官隊の総攻撃が始まったのは、それから間もなくのことでした。
まずゲオルグ・ショルティ指揮ウイーンフィルが演奏するワーグナー作曲「ワルキューレの騎行」の三二チャンネルマルチ・ドルビーサラウンド方式によるBGMに乗って、北北西の方角から現れた四機のシコルフスキー型大型攻撃ヘリかが搭載した合計二八台の東芝製バズーカ砲が一斉に火門を開き、不思議なお家を空爆しました。
地上からは在沖米軍海兵隊と陸上自衛隊中央即応集団司令部に支援された「オトモダチチームスピリット」が、最新式水陸両用戦車MBK7eに乗り込み、105ミリおよび155ミリ砲、迫撃砲、バズーカ砲、無反動砲を気狂いピエロのように乱射しましたので、粗末な藁ぶき小屋は一瞬のうちに紅蓮の炎に包まれ、内部で籠城していた星の子学園の仲間たち28名は、全身を砲弾にうち砕かれて即死し、45名が重軽傷を負い、そもそも手足やが頭がない子供たちに混じって新たに手足や頭を吹き飛ばされたバッタやイナゴのような子供たちが、血まみれになってバリケードの外側に這い出しました。
そこへM12機関銃で完全武装した第7機動隊1200名と鬼の4機6500名が燃えよドラゴン的暴力装置と化して、カブトムシの幼虫のようにうごめく子供たちに一斉掃射を加えながら小川を渡河、勾配7度の長い斜面を13列縦隊で突撃してきました。
♪トテトテトテテ、テトテトテテテー、
出てくる敵は皆皆殺せえ! 皆皆殺せえ!
と一音もはずさぬ見事なトランペットを響かせながら……
ルリシジミよテングチョウよどうして君たちは示し合わせて同じ日に生まれるのかね 茫洋
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