茫洋物見遊山記第13回
どぶ板通りを少し離れて坂道を上っていくと龍谷山良長院という曹洞宗のお寺がありました。曹洞宗は道元が開祖で、のちに禅宗の一派と称されるようになりますが、道元自身はそのような狭いセクショナリズムを排してこれが仏教の正道だと考えていたようです。
あるネット情報によれば、この良長院は、元は米軍基地内の泊浦(現在の泊町)にあったそうです。本尊は開山堂に安置してある釈迦三尊像で、これは横須賀市内唯一の鉄製の鉄仏だとか。なんでも泊町の長峯城城主の瀬尾重兵衛良長という人が創建したので、良長院と名付けられといいます。
良長院には聖観世音菩薩もあります。また別の情報によれば、この観音像は関東大震災の横死者追善供養のため大正十四年九月一日(三回忌)に第二町内会有志によって建立され、観音像の胎内には関東大震災で亡くなった人の名が刻まれた銅版が納められたので、それ以来、震災記念観音と呼ばれていましたが、昭和25年に境内入り口広場から現在の場所に移し、良長院の縁起にちなんで祇園観音と改称。続いて、昭和28年には梵鐘の再建、燈籠の再建などによって、祇園の浄地としての伽藍が整備されたことを記念してこの観音像の由来が記されることになったそうです。
別にそういう由来などはどうでもよいのですが、何度訪れても人影がなく、そのかわりに人懐こい猫が近寄ってくる感じのよいお寺です。
♪犬よりも猫に好かれる男かな 茫洋
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