Sunday, November 01, 2009

夫馬基彦著「オキナワ 大神の声」を読んで 後篇

照る日曇る日第307回


さてせっかくの機会なので著者の驥尾に付して南方問題なぞに贅言を費やしてみたいのですが、本書で取り扱われている「琉球弧」は、往古より中国や日本という大国の不当な干渉を受け、政治的な従属を強いられてきました。そして戦後米国からの独立を果たしてからもなお日米軍事同盟のあおりをくらって、その領地の半分が基地によって占拠された状態にあります。

最近日本=大和国の政権の座についた民主党は、普天間基地の移転問題を契機に日米関係の見直しを及び腰で唱えていますが、それならばいっそ沖縄=琉球の側でも、軍事基地を不当に押し付けるヤマトンチュウ政権との関係を根本的に見直すべきではないでしょうか。 
この際数世紀に及ぶ古い隷属の絆を思いきって断ち切って、あわよくば北のまほろばアイヌ政権と手を携えて腐敗堕落したヤマトンチュウ政権から独立し、天皇制なき完全非武装中立を旗印にかつての琉球王国の輝かしい平和と繁栄を取り戻すべきではないでしょうか。そしておよそ1万5千年ぶりに確立された幻の縄文王国は、ヤマトンチュウ政権から多くの亡命者を友愛的に迎えることでしょう。

最後に一点どうしても書き記しておきたいことは、この著者の自閉症や自閉症気味という言葉の使い方です。おそらく著者は、221pの6行目になにげなく記したように、自閉症児者とは、社会や人間との接触を避けて四畳半の個室に自閉的に閉じこもったりする「ネクラ人間の類」と心得ておられるのではないかと想像するのですが、これはとんでもない誤解です。

自閉症は、「病気」や「気質」ではありません。生まれつき脳の機能に何らかの障害を持つ発達障害のひとつです。確かに人や物との変わった関わり方をしたり、他人とのコミュニケーションがうまくとれなかったり、興味や関心が非常に偏っていて同じことを繰り返したがる特徴をもっていたりすることもありますが、「自閉的人間=自閉症者」では断じてありません。晴朗な心の中では、他者と全世界に対してコミュニケーションをしたくて仕方がないにもかかわらず、脳の機能障碍ゆえにそれがかなわない不幸な人たちなのです。
この際、日本自閉症協会のHPなどを検索して、今後の広範な人間理解と旺盛な創作活動のために役立てていただくようお願いいたします。

http://www.autism.or.jp/autism05/rainman20040508.pdf


万国の障碍者団結せよ 偏狭健常者政権を打倒せよ 茫洋

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