Wednesday, November 11, 2009

横須賀ところどころ 第2回

茫洋物見遊山記 第4回

ヴェルニー記念館の見どころは、巨大なスチームハンマーです。

慶応元年1865年に製造されその翌年にオランダから輸入されたこの横須賀製鉄所備え付けの工作機械は、蒸気(スチーム)を動力としてハンマー(鎚)を持ち上げてこれを落下させ、加熱した金属素材に打撃力を加えて鍛造作業を行うもので、19世紀半ばにイギリスのナスミスという人が考案したそうです。

スチームハンマーが稼働するためには巨大なハンマーを受け止めるための地下部分の強化が重要で、落下する重量の20倍から30倍もある重量物を埋める必要があったといわれていますが、その現物がこの記念館には据え付けてあり、日曜祭日には実際に稼働するところを見物できるそうです。 

 また明治22年1889年に開業した横須賀駅のホームには古いイギリスとアメリカ製のレールが再利用され、アメリカ製の鉄鋼を使って1910年代に建てられた工場はいまなお横須賀で現役で働いています。

このように横須賀製鉄所は、当初フランスとオランダの技術が取り入れられ、続いて明治以降ドイツやイギリス、アメリカの工業技術も移入された先進技術工場だったのです。

以上昨日の記事とともに、ヴェルニー記念館のパンフレットより勝手に引用させていただきました。

♪君知るや幕末の巨大機械平成の御代になおも駆動するを 茫洋

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