Monday, February 23, 2009

提案と回答と感想 その1

バガテルop89

○提案

拝啓 松竹本社殿

 貴社築地歌舞伎座建て替え問題についての提言 このたび貴社が、1950年に竣工した吉田八十八設計の第四期の建物を、一九二四年竣工の岡田信一郎設計の壮麗な桃山様式のお手本(第三期)に土台を戻して、通算第五期の新歌舞伎座立ち上げをひとたびはめざされたことは、歌舞伎座のみならず、銀座と東京の建築のあるべき姿に照らしてもっとも賞賛に値する勇気ある決断でした。 このようなよき企てが、都知事の個人的かつ一方的な意見で圧殺され、日の目をみなくなることはとても残念ですし、もしそうなれば銀座、東京のみならず日本全体の大きな文化的損失だと思います。 わが国の最高の芸術のひとつである歌舞伎の聖なる殿堂を、「より新しく」ではなく、「より古く由緒ある姿かたちで再現、再創造」しようというこの歴史的な英断を、「銭湯みたいで好きじゃない」「オペラ座のようにしたほうがいい」などという都知事の鶴の一声で取り下げるとはなんと愚かなことでしょうか。「新しさを求めて意味不明の新しさに迷う」のではなく、「古きをたずねてその新しさをふたたび見出すこと」こそ、貴社が、そして私たちが心の中でひそかに求めている現代建築のあるべき姿ではないでしょうか。 だからこそ辰野金吾設計の当初案を復元しようとしている東京駅のやり方は多くの人々から支持されていますし、数々の由緒ある建物を破壊してきた三菱地所さんもかつて壮麗さを誇った三菱1号館をそのまま再建しようとしています。東京駅の傍にある中央郵便局をなんとかそのままの形で残したいと願う私たちの思いもこれと同じです。 そこであの不朽の「寅さんシリーズ」をはじめ貴社の輝かしい映画歌舞伎製作と興業を愛し続けてきた小生からの切なるお願いは、貴社が先日マスコミ発表された「都知事推薦の現行案」を廃棄して、もう一度「当初のオリジナル案」に戻り、あの素晴らしい歌舞伎座建て替え案を断行していただくことです。 貴社と歌舞伎の愛好者、そして全国の心ある人々は、必ずや貴社の勇気ある決断を支持することでしょう。                     敬具
○回答

この度は、歌舞伎座再開発に関しまして、貴重なご意見をいただき誠にありがとうございました。 また、返信が遅くなりまして、誠に申し訳ございません。 いただいたご意見は関係者に回付いたしました。 歌舞伎座再開発につきましては、耐震性能の確保、劇場機能の改善、環境保全や地域との共生など様々な角度から計画を検討し、 なによりお客様の声を第一に反映できるよう、努力してまいる所存でございます。 今後ともご理解とご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。------------------------------------ 松 竹 株 式 会 社   東 京 本 社


○感想
暖簾に腕押しとはこのことか。関係者とはどこのどなたでござるか。
せっかくおだててあげたのに、あまりにつれない返事にがっかり。
石原都知事の意見など反映せずに、私の意見をしっかり反映してほしい。


人の物は自分の物我良主義強欲主義者横行の世を洗濯すべし立替るべし 茫洋

No comments: