ふあっちょん幻論第37回 メンズ漫録その15 断腸亭主人紳士洋装論その6
永井荷風またいわく。メリヤス(ニット)肌着は褌(ふんどし)と同様、いかなる場合にも人目に触れてはならない。
ホワイトシャツの袖を捲り上げても、肌着は出すな。シャツは米国では白のみならず変わり縞多数あり。これ英国流にあらず。
近年堅いカラーの代わりにシャツと共色の柔らかい襟を使う例あり。これぞ米国の若者流なり。
米国は欧州と違って夏暑いので、お上品ではない。日本では温度は米国より低いが、湿度は高い。洋服には不便であるが、むかしは「武士のカラ脛、奴の尻の寒晒し」と言うておった。いつの世にも勤めはつらいものなり。されど極力、南洋植民地風にせず、せめてNY風をめざすべし。
ただひとり今日もポーチを立て直す大工あり 茫洋
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