音楽千夜一夜 第7回
「朝は四足、昼は二本足、夕方は3本足のものは何?」というスフィンクスの問いに「それは人間だ」と正答したのは父を殺し母と交わった古代ギリシアの王、オイデップス。
「暗い闇夜に飛び交い、暁とともに消え、人の心に生まれ、日毎に死に、夜毎に生まれるものは何?」というトゥーランドット姫の第1の問いに、「それは希望だ」と答えたのはカラフ王子。
「一日にも四季がある。朝は春、昼は夏、午後は秋、そして夜は冬である」
と語ったのは、ロシアのチェリスト、ロストロポービッチ。
みなさんなかなかうまいことを言うもんですね。
さて、そのロストロも、カザルスも、坂本龍一もバッハの無伴奏チェロ組曲が至高の名曲であるという。
だがロストロの演奏も、カザルスも、ヨーヨーマも、坂本が薦める藤原真理の演奏も、私を限りなく退屈させる。
退屈しなかったのは、かつて資生堂が「♪トラベルセットが当たる」というプレミアムキャンペーンのときに使用した第6番のアレンジを耳にしたときのみ。
同じバッハの平均律クラビールやオルガン曲やカンタータは限りない喜びを与えてくれるというのに、大好きな作曲家であっても、大の苦手の曲があるというのが不思議だ。
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