今年の冬は遅い。
ゆっくり朝寝をしたら、午後からは散歩に出よう。
大気は胸に冷たく透き通り、柔らかな光が君の漠然とした不安をなだめてくれるだろう。
君は緑に包まれた楽園をめざしてどんどん歩いていくだろう。
道はゆっくりと左に曲がり、やがて右に曲がるだろう。
そしてその道が峠の頂に着くまでに、君は1匹の蛇になっているだろう。
たいしたもんだ。君はもう長い長い立派な蛇だ。
だから、君はもうけっして昼寝をしてはならない。
うっかり誰かに輪切りにされないように……
やわらかな光あふれる山道をゆるりとくねるわれもまた蛇
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