Monday, November 22, 2010

ノーマン・ジュイソン監督の「シンシナティ・キッド」を見て

闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.54

「夜の大捜査線」の実力派ノーマン・ジュイソンが撮った非常によく出来た1965年のギャンブル映画だ。

主人公シンシナティ・キッドに扮するスティーヴ・マックイーンをはじめ、ポーカーゲームの敵役エドワード・G・ロビンソン、カード配りのカール・マルデン、そしてなによりもかによりもカール・マルデンの妖艶無比な妻を地で演じるアン・マーグレットなどの充実した脇役がこの異色作を見ごたえあるものにしている。

高齢に達しつつあるスタッド・ポーカーの名手を演じるエドワード・G・ロビンソンと「波止場」での好演が記憶に残るカール・マルデンはともかく、アン・マーグレットのちょっと下品なセクシーさが何度見てもたまらない。

体力気力でロビンソンを上回るスリーカードのマックイーンが、土壇場の最後の大勝負、まさかのロイヤルストレートフラッシュを見破れずに一敗地にまみれたのは、その直前に彼女にすべての精を吸い取られたからだ。

ギャンブルの陰に女あり。このキーポイントを見逃したどんな映画評も無効である。


平成に虚点をうがつ男かな 茫洋

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