♪バガテルop66
むかしペンギンブックスからアメリカ現代詩の要約本がでていた。もちろんまともに読んだことなど一度もなかったが、たまたま開いたページにカニンガムだかカニングハムという人の短い1行詩があって、時折そしていまも印象深く思い出す。
それはたしかこういう詩だった。
A rose is a rose is a rose is a rose is a rose is a rose is a rose
おしまいが…で終わったのか、それともピリオドで終わったのかもう覚えていないが、まずはイメージの核にひとつの単語、すなわち一輪の薔薇があって、それが隣に並ぶもうひとつの薔薇に等格で接続しながらひとつの文章に置き換えられ、続いて「薔薇は薔薇也」というその文自体が新たな薔薇に値すると形容され、以下中心軸を基点として次々に大輪の薔薇がウオルト・ディズニーのファンタジー映画か万華鏡のごとくに花開き、そのめくるめく華麗なイメージの渦にのみこまれていくようだった。
で、それに触発されて私が作ったのは
ムクはムクはムクはムクはムクはムクはムクはムクはムクはムク
チンはチンはチンはチンはチンはチンはチンはチンはチンはチン
補注その1 ムクは今は亡き我が家の無垢な犬。槿の下に棲んだ尨毛の犬だった。
補注その2 チンは朕、狆、陳、珍、沈、チンなど。
♪実存は本質に先行するや否やと考え込みしは30年前 茫洋
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