照る日曇る日第127回
残念ながら大野一男の舞踏を生で見たことはないが、テレビやこうした写真でその芸術の一端をうかがい知ることができる。
1960年代に都会の路上で繰り広げたパフォーマンス、瀕死の作家埴谷雄高の吉祥寺南町の自宅を囲繞する呪術的な祈り、江戸時代の奇想の芸術家に憑依した70年代のスタジオでの踊り、90年代に無人の釧路湿原を漂流する異形の蠢き、そして2005年99歳に達した眠れる舞踏家の曾孫との入眠幻想まで、細江英公のモノクロームはこの偉大な芸術家の壮絶な軌跡をあますところなく伝えている。
中野坂上の東京工芸大学のSHADAI GALLERYで今月8日まで開催中。
♪つめは死んでからも伸びるというムクの爪何センチになりしか 茫洋
No comments:
Post a Comment