Sunday, June 29, 2008

2008年水無月茫洋詩歌集

♪ある晴れた日に その30


つめは死んでからも伸びるというムクの爪何センチになりしか

知恵遅れで脳障害で自閉症の息子が弾いているショパンのワルツ作品164の2

白皙の美青年天に召されディオールとシャネルの左に座すかな

去年の今日は蛍舞いたり今年の蛍はどうしているかな

父母逝きてたったひとつの慰めはもはや訃報に怯えぬことなり

ちんぽこを7つ並べて砲射する我らの姿は珍なるものかな

イージスを全部競売で叩き売り社会福祉施設に入金せよ

老人も障碍者も死にかけておるというに外国人に大盤振る舞いするものかな

もっとちゃんとしつけて欲しかった特に食事のマナーといわれてしまい赤面するしかない私

死刑まで国にゆだねてよろしいのか巨悪なんぞは心のままに討ち果たすべきでは

どのオケで何度聴いてもつまらない真面目だけがとりえの指揮者ブロムシュテット

長男を突然死で喪いし母親よ赤いセーターのろのろ動く

崩落の危険はいずくにもあり我が庵にもわが心にも

たまさかの狭心症の発作は意外に苦しい母もきっとこれで死んだのだろう

じゃあねと言いあいて別れたのだがそれが永訣の時であった

親というはげに因果なるものよ25にもなりし息子の所業をわがことと詫ぶ

栗の花にダイミョウセセリがとまる日よ女子大生泣き蛍地に墜つ

丸の内線の四谷三丁目こそうれしけり地獄より出て3丁目に着く

ホラ泣くぞホレ泣けよとばかりズームアップするカメラマンの下種な心

アジアには絶対旅行したいですとほざく日本人お前はアジア人ではないのか

白いポロを着たらルリタテハがついとやってきて右肩にとまったよ 

お前もっと大局を見ろなどと上司から言われ素直に頷きし日もありしが呵呵

毒喰わばさろうてご覧と鳥兜がいうた

太刀洗にひとつ落ちたるタイヤかな

岩煙草煙草忘れし星の使者

いずみ橋蛍1匹拾いけり


♪くたびれてしなびてよどみてゆきなやみくちはてそうなわたしのじんせい 茫洋

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