鎌倉ちょっと不思議な物語66回
ここは昭和三年、あの中原中也が亡くなった翌年に開設された鎌倉市農協連即売所である。
なんでも当時鎌倉にいた牧師から、欧州では農家の直接小売制度があると聞いた農家の人たちの有志がこの地で即売所をつくったらしい。もしかするとわが国で最初の地産地消システムかもしれない。
現在は平塚など鎌倉以外の農家も参加しているらしいが、四つのグループが四日毎に出店して正月の四日まで以外は連日8時から日没まで営業している。
終業時間が午後5時とか6時とかでなく「日没まで」というのが泣かせる。
天井には親ツバメが自分は絶対にえさを食べず、せっせと子供たちに運んでいた。これも当節の人間の親なぞが忘却してしまった真っ当な所業だと感涙を催す。
なお、よく東京のあほばかテレビがここを取り上げているようだが、すべての商品が他の八百屋より安くて品がいいとはいえないので要注意。
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