Thursday, February 08, 2007

半藤一利著「其角俳句と江戸の春」を読む

あなたと私のアホリズム その8


鐘ひとつ売れぬ日はなし江戸の春
鶯の身をさかさまに初音哉
闇の世は吉原ばかり月夜かな
わが雪と思へばかろし笠の上
夕涼みよくぞ男に生まれけり
憎まれてなかれえる人冬の蝿
いなずまやきのふは東けふは西
秋の空尾上の杉を離れたり

などで有名な宝井其角(寛文元年1661~宝永4年1707年)の含蓄ある華麗な代表作を半藤先生が講評する。国漢文に造詣の深い先生の解釈の奥深いこと、また博引傍証の凄まじさにも圧倒される。特に最後の3篇が好い。

本書で改めて学んだこと

墨東に残る江戸時代の建築は三囲神社の本殿、寿老人の白髭神社の本殿、毘沙門天の多聞寺の山門の3つ。

江戸の鐘の音は、日本橋石町、上野の山、浅草観音、芝の切り通し、市谷八幡、本所横川、四谷天龍寺、田町成満寺の9箇所で鳴った。

1日12刻を十二支で表わす。始まりの子の刻は夜の十二時で鐘の音は九つ、次の丑の刻が午前2時で鐘は8つ、以下二時間間隔で寅の刻は7つ、卯の刻6つ、昼の十二時の午の刻になるとまた9つ、午後2時の未の刻が8つ、申の刻が7つ…。お江戸日本橋7つ立ちは午前4時、などなど。

勉強になりましたぞ、なもし。

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