Monday, February 26, 2007

フランス革命、万歳!

♪音楽千夜一夜第12回


恐るべきフランス革命は、「魔笛」の夢の世界を徹底的に破壊し、音楽の真の革命家であるモーツアルトの革命的な音楽を破壊しつくした。

19世紀にはもう彼の市民権はなかった。モーツアルトと同様に、あの高雅なハイドン、ヘンデル、ヴィバルディの音楽も道連れにされた。

かの小澤征爾と同様の三流指揮者であるが、その代わりに一流音楽学者であるニコラス・アーノンクールによれば、ポスト・モーツアルトの「現実的な」音楽は、1800年ごろにパリのコンセルバトワールに生まれたという。

複雑で、対話的で、雄弁なモーツアルトのようなデリケートで知的な音楽のかわりに、例えばあの那智黒なワーグナーや男根的ヴェルディや荒川静香的プッチーニのように、アホバカ簡単単純明快音楽が、19世紀から現代までの音楽界を占拠した。

フランス革命は人々を階級社会から解放し、自由と平等の諸権利を確立したかもしれないが、ほんとうの音楽の生命を絶ち、音楽をボナパルティズム化し、いわば「軍事化」してしまったのである。

嗚呼、かのモーツアルトを虐殺したのが、サリエリではなく、あの三流音楽家ジャンジャック・ルソーという名の孤独な散歩家の夢想であったとは!

(引用と参考文献 フィリップ・ソレルス著「神秘のモーツアルト」)

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