Sunday, February 05, 2012

ルキノ・ヴィスコンティ監督の「ベリッシマ」を見て

闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.196

戦後間もない1951年製作の巨匠の初期の作品。チネチッタが映画に出演させる少女をローマ市内で公募したので、主人公の母親が愛娘を女優にしてやろうとなけなしのお金をはたいて懸命に奮闘する。

コネを作ってやると称するいんちきな青年に新居の建築資金をだまし取られたり、なぜか求愛されたり、夫に怒鳴られたりと、まるでリエママのように涙ぐましく滑稽などドタバタ劇が続くが、どういう風の吹きまわしか最終候補に勝ち残り一躍トップスターへの道が開かれるはずだったのに、それが娘の本当の仕合わせにならないと知ったイタリアのタレントママ第1号は、正気にたちもどって巨額の契約金を拒否するのでした。めでたし、めでたし!?

されど母も娘も美しい(ベリッシマ)が、あれだけ苦労した役をどぶに捨てるとはなんだかもったいない話じゃないか、という気がしないでもない。母親役のアンナ・マニャーニが強烈な存在感を発揮して今夜の夢に出てきそう。


マレーシアと中国の女子学生に「日本人なんかに負けるな」と就活アドバイスしている微妙なわたし 蝶人

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