Monday, October 01, 2007

鎌倉の宝戒寺を訪ねて

鎌倉ちょっと不思議な物語80回

この寺の一帯は北条義時の代に一門の屋敷が築かれ、その後歴代の得宗家が最後の執権十六代守時の代までここで総指揮を執った。三つ鱗は三菱ではなく、北条家の家紋である。

その後、北条氏打倒の命を下した後醍醐天皇が北条一門の怨霊鎮護のために足利尊氏に命じて同じ場所に建てたのがこの宝戒寺である。

その後醍醐天皇を滅ぼした形になった足利尊氏が、亡き天皇の慰霊のために京都に建立したのが天龍寺であるから、思えばこの二つの寺は不思議な縁によって結ばれているともいえる。

本堂には本尊の菩薩像のほかに梵天像、帝釈天像、不動明王などが安置されており、境内右には2世普川国師が鎮護国家を祈念して歓喜天を安置した大歓喜天堂、左には北条氏を供養する宝篋印塔が建てられ、さらに本堂を巡る庭園には、正月の羽子板の羽根の重石に使われるムクロジュなど、四季折々のさまざまな花や植物が植えられている。

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