Friday, September 18, 2009

ジュールス・ダッシン監督の「トプカピ」を見る

闇にまぎれて bowyow cine-archives vol.8

異才ジュールス・ダッシンの冒険犯罪喜劇映画の舞台はトルコ・イスタンブールのトプカピ宮殿です。

このイスラム文化の精髄を集めた宝物館の目玉であるエメラルドの宝石に鏤められたスルタンの短剣。これをメルナ・メルクリ扮する怪盗グループがおもしろくもおかしくもないドタバタを繰り返しながら、見事盗み出すことに成功するのですが、結局は足がついて全員つかまってしまう。しかし刑務所から出て来るとこんどはロシアの秘宝に挑戦するというあほらしいストーリー。

「日曜はだめよ」の名コンビとも思えない超のつく駄作ですが、強いて褒めればその後のお宝強奪映画にはらはらドキドキのリアルな手法と撮影手法の先鞭をつけたことでしょうか。メルクリもそれほど魅力的とは思えません。前作の「フェードラ」の出来映えが素晴らしかっただけに残念無念な結果です。

私はダッシンはなんとなくフランスの監督かと思っていたのですが、1911年生まれのアメリカ人で、赤狩りに追われて欧州に逃げだしそこでメルクリと知りあって結婚したとは知りませんでした。ギリシアの観光相だか文化相だかになったあと94年に死んだメルクリと死別したあと08年3月に97歳でアテネで亡くなったそうですが、どのような晩年であったのかちょっと気になるところです。

♪情報の掃溜めと化したR25んなもの誰も要らん 茫洋

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