Friday, November 24, 2006

勝手に東京建築観光・第1回

沈黙の弔鐘




まず私が大好きな高層ビルから始めよう。

東京タワーの賞味期限が切れたいま、00年代の東京のランドマークといえばなんといってもこのNTTドコモ代々木ビルであろう。

このビルにはオフィスがなく、携帯電話の巨大な乾電池プールのような役割を果たしているらしいが、なんでも毎日40,50名の見学者が訪れ、しかも日本人より外国人が多いと聞く。

ドコモ代々木ビルは、2000年にNTTの不動産部門のNTTファシリティーズによって旧国鉄操車場跡に建てられた。

その端正なシルエットはほとんど醜悪な粗大ゴミと化した新宿副都心の超高層ビル群と鋭く一線を画して、あくまでも美しい。また頂上部のルックスは、ポストモダンンなクライスラービルといったところだろうか。

設計者は02年建築のドコモ川崎ビルと同じく林雄嗣で、そのコンセプトは「現代の仏壇」である。

つまりドコモ代々木ビルは、かの偏狭な靖国神社に代わって15年戦争のすべての死者に哀悼の意を表しつつ、近未来の廃墟トーキョーに向かって沈黙の弔鐘を打ち鳴らしているのである。

夜も昼も…

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