Monday, November 20, 2006

鎌倉ちょっと不思議な物語 第九話

今日はトリの話です。

昨日ご紹介したヘビが出没する川の土手にはカワセミが巣を作っています。

猛烈な勢いで狭い流域を飛び回っては、また巣に戻る。

私はこのカワセミを、かの大作家ジュール・ベルヌとかの大映画作家エリック・ロメールに敬意を表して「緑の光線ちゃん」と呼んでいます。

それからこの川の中にはカモの夫婦やカメやハヤもすいすい泳いでいます。初夏には天然のへイケボタルも飛ぶのです。

トリに話を戻すと、太刀洗や熊野神社近辺ではコジュケイの家族連れに出会います。つい先日もぱったり出くわしてお互いにワアと驚いたことでした。

ここいらではすべての生物の天敵のタイワンリスが大繁殖しているというのに、よくぞ生きながらえていてくれるものです。

彼らはほとんど空を飛べずに山野を農協の団体旅行のように歩き回っているだけ。だからあの凶暴なタイワンリスに襲われればそれこそ聖徳太子の一族のように皆殺しされてしまうのです。

さて今日の午後5時過ぎ、新宿の学校から鎌倉に戻ったばかりの私は、東口駅前交番の隣に立っているクスノキの樹を撮影しておりました。

真っ暗な写真ですが、右端から飛び出していく白いものが見えませんか?

実はこれはスズメです。

そして見えない目をよーく凝らしてこの心霊写真をご覧下さい。そーするとあちこちにスズメたちが飛んだり跳ねたり鳴いたり喚いたりしている姿が見えてくるでしょう? 

なに見えない? まだまだ修業が足らないなあ。

ともかく何十羽のスズメたちがこのように集まって周囲の人々を驚かせております。

私が青池様より譲って頂いたデジカメ名機を彼らに向けていると、会社帰りのおじさんが近寄ってきて尋ねました。

おじさん「なんの鳥ですかなあ?」

私「今日はスズメです」

おじさん「じゃあ他の日にはスズメ以外のトリも止まるの」

私「はい。昔はスズメじゃないトリがやっぱりこうやって大集団でこの樹に群がっておりました。たぶんシジュウカラだと思います」

おじさん「そういえば小田急の藤沢駅前の樹でも、こうやって大騒ぎしているなあ」

このとき横合いからおばさんが登場。

おばさん「でもスズメはなにしてるのかしら?」

おじさん「街なかは人間がおおぜい居て安全だからこうやって集まってるんですよ。町の外はトンビやカラスが飛んでいて危険でしょ」

私「いやいや、彼らはああやって集まって文化服装学院FD専攻の生徒さんと同様に、熱心にお勉強しているんですよ」

おじさん&おばさん「???」

私「ほら、スズメの学校ってよくいうじゃないですか」

おじさん&おばさんは、なおもフラッシュをたきつづけている私を残して、さっさと改札口に消えていきました、とさ。

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