♪ある晴れた日に第76回
ホー、ホー、ホー、ホー ホー、ホケキョ ショパン哉
長島一茂がギリシアの暴動について語っている五月の朝よ
飛んでいる蝶の名前を言えることほぼゆいいつの長所ですかね
年年に知らぬこと多く現れ出でてよくも考えずみなほうりなげる
カラオケでわたくしがただひとつ歌える歌赤胴鈴之助
若き日のわたしをクラシックから遠ざけた平井丈一朗のバッハ演奏
わが胸の奥の奥にも巣食いたる「空気さなぎ」よ何を孕むや
摩周湖を泳いでいたが怖くなり引き返したりと元赤軍派学生
母のごとき咳をしている咳しつつ思う
ちちははの京の土産に頂きし「ギリシア神話」はついに読まれず
氷雨降る春の夕べの桜花光を待たで白々と散る
瓶というものに惹かれる資本蓄積を思わせる故なるか
なにゆえぞ広告を商う君(われ)の顔卑しき
ええじゃないかそれがどうなろうとあれがどうなろうとええじゃないか
MGMのライオンのごと吠えることわが唯一の特技なりけり
今日もまた鏡の前でMGMのライオンのごとく三つ吠えたり
日本橋の三越前のライオンで待ち合わせし人はついに来たらず
原宿のR社ビルのエレベータードアが開いてホワイトライオン降りたり
フランス人がライオンの歯と名付けたるタンポポの花のギザギザを愛ず
チューリップアントワネットの如く落つ
首飛んで君が魂魄いずくにやおわす
イルカ殺すなクジラ殺すな日本人よ
鶯は三人囃子ではやしおり
鶯の囃し疲れて休むかな
ダンデリオンライオンの歯が笑っている
横須賀やきのうの夢の捨て所
菖蒲湯や息子のあとに入りけり
この棒がこの黄金虫が虚子である
俳聖のいかな名句も吾輩のひりだす駄句に叶わじと知れ 茫洋
No comments:
Post a Comment