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Monday, December 10, 2012

ジョン・シュレシンジャー監督の「遥か群衆を離れて」を見て



闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.363

サザエ「一九六七年製作の素晴らしい英国映画。トーマス・ハーディの原作を名匠シュレシンジャー監督が見事な映画に仕立てましたね。

カツオ「人ひとり見えない英国エセックスの荒野に放牧されている羊と牧羊犬。意地の悪い牧羊犬が羊たちを断崖絶壁においつめて海に追い落とすシーンには息を呑みました。

ワカメ「群衆から遠く離れその荒涼とした風景がしみじみと都会の喧騒に疲れた心に迫ってきます。でもそんな大自然に生きる男女の間にも凄まじい愛の放電が交錯するのよね。

マスオ「愛する人には愛されず、どうでもよい人からは熱愛される。ヒロインのジュリー・クリスティもヒーロー役のアラン・ベイツともどもこの世の不条理のドツボにはまってのたうちまわるんだけど、ジュリー選手はけっこうガードが甘いというか男を見る目がないというのか、押しの強い男にずるずる気押されてしまうね。

イクラ「初恋に一途にのぼせあがるところはとても可愛い。けっきょく自分で自分がよく分からないから、どうしようもない男に入れ上げて大事なものを見失ってしまうのね。パブーン」

フネ「でも最後の最後には私たちが最初に予感したとおり落ち着くべきところに落ち着くんだけど、この映画でいっとう可哀想なのはいよいよ物に出来ると舞い上がったところでトンビに油揚げをさらわれる中年の牧場主ピーター・フィンチ。死んだはずの恋敵テレンス・スタンプがあんなところで戻ってきたら逆上して拳銃で撃ってしまう気持ちも分からないではないわね。

十津川の流失家屋を眺めながら「観光に来て頂くだけで元気になれます」と語るガイド 蝶人

Friday, December 07, 2012

ジョン・フォード監督の「バッファロー大隊」を見て




闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.360

のび太 巨匠による一大「法廷」サスペンス西部劇だぞお!

スネ夫 騎兵隊に黒人がいたなんて知らなかったな。元は奴隷の身分だった黒人を南北戦争の後で軍人にしたんだそうだ。それなのに白人よりも勇敢な兵隊がいたんだって。

ジャイアン ぬれぎぬを着せられた黒人の軍曹のルックスも立ち居振る舞いも白人より立派。これでフォードが黒人に偏見を持っていないことがよく分かるが、彼は「追跡者」などを見るとどうもインディアンに対しては差別意識があるように感じられるな。

どらえもん おいジャイアン、今はインディアンは先住民っていうことに青島が都議会で決めたんだってヨ。

しずか 黒人の軍曹が白人の上司を射殺したうえに白人の少女をレイプしてから殺したといって裁判になるの。それを彼の上司の白人が弁護するんだけど、黒人に偏見と敵意を持つ検事役とのちょうちょうはっしの法廷闘争がアパッチとの銃撃戦よりスリリングね。

のび太 被告は自分が殺人を犯していないくせに重要な局面で証言を拒んだり、弁護士役の中尉自身も誰が真犯人なのか分からないまま(最後に突然気付く)弁護を続けるのでハラハラドキドキしながラストまで引っ張られてしまうんだよ。

どらえもん ボク、こんな西部劇は見たことない。裁判長とその奥さんのキャラクターがとても面白く、深刻な裁判劇に笑いとアクセントを与えているね。


3000円のごみ箱を買うか買うまいか1か月も迷っていた建築家ミケーレ・デ・ルッキ 蝶人